長男(ちょうなん)が骨肉腫(こつにくしゅ)で入院(にゅういん)した頃(ころ)、私(わたし)は毎晩(まいばん)夢(ゆめ)を見(み)てはうなされていました。 子(こ)どもを抱(だ)きかかえて出口(でぐち)のない暗闇(くらやみ)を逃(に)げ回(まわ)る私(わたし)を、病魔(びょうま)が捕(つか)まえに来(く)るのです。 それまで大変(たいへん)なこと・辛(つら)いことなどから逃(に)げ、楽(らく)な方(ほう)へ楽(らく)な方(ほう)へと流(なが)されていた私(わたし)は、長男(ちょうなん)の命(いのち)と私(わたし)自身(じしん)の人生(じんせい)について随分(ずいぶん)考(かんが)え悩(なや)みました。そして私(わたし)たちは、病魔(びょうま)と闘(たたか)うこととしたのです。今度(こんど)は、向(む)かってくるすべてのものに前向(まえむ)きに行動(こうどう)する事(こと)にしました。すると病魔(びょうま)が逃(に)げていき暗闇(くらやみ)にかすかな光(ひかり)が見(み)え始(はじ)めました。長男(ちょうなん)の病気(びょうき)は私(わたし)の人生(じんせい)そのものです。 ありがとうございました。