10年（ねん）程（ほど）前（まえ）、私（わたし）はトイレ掃除（そうじ）を素手（すで）で行（おこな）う方々（かたがた）と出逢（であ）い、かなりのショックを受（う）けたのを覚（おぼ）えています。そして、「イヤだ、汚（きたな）い」と思（おも）いながらも、それ以来（いらい）「何（なに）か」を求（もと）めるためトイレ掃除（そうじ）を始（はじ）めました。
　長男（ちょうなん）が病気（びょうき）になった当初（とうしょ）は会社（かいしゃ）のトイレが唯一（ゆいいつ）涙（なみだ）を流（なが）せる場所（ばしょ）で、朝（あさ）早（はや）くから誰（だれ）もいないトイレで大粒（おおつぶ）の涙（なみだ）を流（なが）しながら「子供（こども）の病気（びょうき）を治（なお）して下（くだ）さい」と願（ねが）いつつ便器（べんき）を磨（みが）き続（つづ）けました。その願（ねが）いが届（とど）いたのか長男（ちょうなん）はだんだん元気（げんき）になりました。
　この体験（たいけん）から世話人（せわにん）の一人（ひとり）として日本（にほん）を美（うつく）しくする会（かい）「山梨（やまなし）掃除（そうじ）に学（まな）ぶ会（かい）」を立（た）ち上（あ）げる機会（きかい）をいただきました。この会（かい）は、沢山（たくさん）の方々（かたがた）に支（ささ）えられ無事（ぶじ）3年目（ねんめ）を迎（むか）え、3月（がつ）23日（にち）と24日（にち）に年次（ねんじ）大会（たいかい）を開催（かいさい）する運（はこ）びとなりました。
　私（わたし）は、トイレ掃除（そうじ）を通（つう）じ沢山（たくさん）の気付（きづ）きや出逢（であ）いをいただきました。そして、今（いま）この瞬間（しゅんかん）に生（い）きていられることのすばらしさを知（し）りました。
　皆（みな）さんも是非（ぜひ）参加（さんか）し気付（きづ）きを得（え）てみませんか。
　　　　ありがとうございました。
平成13年11月18日、笛南（てきなん）中学校（ちゅうがっこう）で行（おこな）われた掃除（そうじ）に学（まな）ぶ会（かい）で、トイレを磨（みが）いている長男（ちょうなん）、翼（つばさ）です。